原料名称
CBG(カンナビゲロール)、Cannabigerol
原料純度
純度:CBG 99.1%(COA)
残留限度値:Total Δ9-THC: < 1 ppm
測定法:LC-MS/MS、Anresco Laboratories
原産地
米国
製品区分
粉末/10 ppm未満(適合)
食品等輸入届出済(2026年8月 更新)
原料情報
形体:常温で粉末状
外観:白色
特性:油溶性
抽出方法:ヘプタン
化学式:C₂₁H₃₂O₂
分子量:316.48 g/mol
分子構造:2-[(2E)-3,7-dimethyl-2,6-octadien-1-yl]-5-pentyl-1,3-benzenediol
CAS番号:25654-31-3
登録・認証
本製品は、USDA所管の2018年農業改善法に基づき登録された米国の産業用ヘンプ農家からのヘンプバイオマスに由来します。
また、FDAに登録され、GMP認証を受けた施設で製造されています。ISO 9001:2015認証とコーシャ認証を取得し、cGMP基準に準拠しています。
保管方法
冷暗所(15~25℃程度)で、湿度の高い環境を避け、容器を密閉し保管してください。冷蔵・冷凍での保管は推奨しておりません。使用期限は、製造から24か月です。
出荷状態
1kg以上のご注文は、製造元で計量された重量に基づき、1kg容器にて出荷されます(次の輸入分より)。
CBG(カンナビゲロール)とは
CBG(カンナビゲロール)は、カンナビス(大麻草)に含まれるカンナビノイドのひとつです。1964年に、ハシシュ(大麻樹脂)の抽出物から初めて単離されました[1]。CB1受容体への親和性が低く、THCのような陶酔作用は示さない成分とされています[1][2]。
本原料は、ヘンプから抽出したCBGを精製した粉末(アイソレート)です。ベイプ製品のほか、ティンクチャーやグミなどの食品の原料として主に使われています。
「カンナビノイドの母」と呼ばれる理由
カンナビスの中では、まずCBGの酸性型であるCBGA(カンナビゲロール酸)が作られます。このCBGAから、酵素の働きでTHCAやCBDAが作られます[1][3]。CBGAが多くのカンナビノイドの出発点にあたるため、「カンナビノイドの母」と呼ばれています[4]。
CBGは、このCBGAが脱炭酸してできる成分です。脱炭酸は酵素によらない反応で、熱や光、長期の保管によって進みます[1]。「CBGはTHCやCBDの前駆体」と説明されることもありますが、正確には、前駆体にあたるのは酸性型のCBGAです。
多くの品種では、CBGAが酵素によってTHCAやCBDAに変わるため、CBGの含有量はわずかです[1]。一方、繊維用ヘンプの系統からは、CBGを主成分とする株が見つかっています。こうした株では、CBGAをTHCAやCBDAに変える酵素がほとんど働かないため、CBGAがそのまま残り、CBGを多く含むようになると考えられています[5]。
CBGの溶かし方と結晶化
CBGの融点は約52℃で、CBD(60℃台後半)より低く[1]、CBDより溶かしやすい原料です。湯煎などで70℃程度に温めると、融けて液状になり、ほかの原料と混ぜやすくなります。必要以上の高温や、長時間の加熱は避けてください。
CBGは結晶になりやすい成分です。配合に溶けきれる量を超えてCBGを入れると、時間がたってから結晶が出ることがあります。弊社では、CBGは配合全体の30~35%程度までを目安にしています。
結晶の出やすさは、合わせる原料の種類と割合で変わります。CBGの濃度が低い配合ほど、結晶は出にくくなります。配合後の製品を低い温度で保管すると、結晶は出やすくなります。実際の配合と保管温度で、あらかじめお試しください。
CBGを多く含む製品で結晶が出た場合は、70~80℃程度に温めると、もう一度溶かせます。
CBGとCBDの違い
CBGとCBDは、どちらもCBGAを出発点とするカンナビノイドですが、分子の構造や融点、THCとの関係が異なります。
| 項目 | CBG | CBD |
|---|---|---|
| 化学式 | C₂₁H₃₂O₂ | C₂₁H₃₀O₂ |
| 分子量 | 316.48 g/mol | 314.46 g/mol |
| 構造 | 分子の一部が、環を作らず鎖状になっている | 同じ部分が、環状になっている |
| 生成の経路 | CBGAが脱炭酸してできる | CBGAから酵素で作られたCBDAが、脱炭酸してできる |
| 融点 | 約52℃ | 60℃台後半 |
| THCとの関係 | THCとは化学式が異なる(異性体ではない) | THCと化学式は同じだが、構造が異なる(異性体) |
CBGは、CBDの環が開いた形の構造を持つ成分と説明されています[1]。
CBGはTHCに変化するのか
CBDとTHCは、化学式は同じ(C₂₁H₃₀O₂)ですが、構造が異なる別の化合物です(異性体)。CBDは、酸性の条件でTHCなどに変化することが報告されています[6]。
CBGの化学式はC₂₁H₃₂O₂で、THCとは異性体の関係にありません。CBGがTHCになるには、環ができるだけでなく、水素が2つ外れる反応(酸化)も必要です。そのためCBGは、CBDのように異性化だけでTHCになることはありません。
カンナビノイドを高温(250℃以上)で加熱した研究では、CBDからはΔ9-THCなどが生じ、CBGからはCBC(カンナビクロメン)がわずかに生じたと報告されています[7]。
なお、長期の保管による変化を直接調べた研究はまだ限られているため、保管方法と使用期限を守ってお使いください。
CBGアイソレートの製造工程・純度・保管
本原料はCBGアイソレートです。アイソレートとは、特定のカンナビノイドだけを取り出して、高純度に精製した原料を指します。
製造元の資料によると、本原料は、ヘンプバイオマスからの抽出、溶媒の回収、脱炭酸、蒸留、結晶化の順に製造されています。脱炭酸の工程で、ヘンプに含まれるCBGAがCBGに変わります。抽出と結晶化にはヘプタンが使われ、製品では規格値未満まで取り除かれています。
純度などの数値はロットごとに異なるため、現行ロットの値はページ上部の「原料純度」に記載し、分析値はCOA(成分分析書)で公開しています。COAの「ND」は非検出を、「<LOQ」は定量下限(数値として示せる最小の濃度)未満を表します。
高温になる場所を避け、冷暗所(15~25℃程度)で、容器を密閉して保管してください。結露などにより粉末が湿気を帯び、ダマになることがあるため、冷蔵や冷凍での保管は推奨しておりません。使用期限は、製造から24か月です。
入荷した原料は、出荷までの間、室温を23℃未満、湿度を55%未満に管理した場所で保管しています。
日本のTHC残留限度値
2024年12月12日に一部が施行された改正法(大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律)により、大麻草由来製品の規制は、部位による規制から、製品に残留するΔ9-THCの量による規制に変わりました。残留限度値は、製品の区分ごとに定められています。
| 製品の区分 | Δ9-THCの残留限度値 |
|---|---|
| 油脂(常温で液体のもの)・粉末 | 10 ppm |
| 水溶液 | 0.1 ppm |
| その他 | 1 ppm |
出典:厚生労働省「令和7年3月1日に『大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律』の一部が施行されます」(残留限度値は2024年12月12日施行分)
商品名の「新基準対応」は、この残留限度値に対応した原料であることを示しています。残留限度値を超えるかどうかは、Δ9-THCの量に、THCA(Δ9-THCA-A、脱炭酸でΔ9-THCに変わる成分)をΔ9-THCに換算した量を足した合計で判定されます。厚生労働省の通知で示されている式は「Δ9-THC総量=Δ9-THC量+0.877×Δ9-THCA-A量」です[8]。ページ上部の「Total Δ9-THC」は、この合計値です。
本原料は粉末の区分にあたり、Total Δ9-THCの分析値が残留限度値の10 ppmを下回ることを、COAで確認しています。弊社の原料のCOAは、Anresco LaboratoriesまたはKCA Laboratoriesで取得しています。両機関とも、厚生労働省が「製品中のΔ9-THCの含有量に関する検査が可能な機関」として公表している一覧に掲載されています[9]。
輸入のたびに、通関前に麻薬取締部へ資料を提出し、麻薬非該当性確認も受けています[10]。この確認は、提出した資料に基づく任意の事前確認で、厚生労働省の許可や認証にあたるものではありません。
本原料を配合した製品には、その製品自体の区分の限度値(油脂・粉末は10 ppm、水溶液は0.1 ppm、その他は1 ppm)が適用されます。加工後の製品の確認は、製造・販売される事業者様にお願いしております。測定の一貫性を保つため、最終製品のCOAを取得する場合は、原料と同じ検査機関での取得をおすすめしています。
ご注文・卸販売について
CBG原料は事業者様向けに卸販売しており、10gからご注文いただけます。
| 販売対象 | 加工事業者様・卸売事業者様(一般消費者の方への販売は行っておりません) |
|---|---|
| 容量 | 10g、30g、50g、100g、300g、500g、1kg |
| 価格 | 容量別の価格は価格表をご覧ください |
| 出荷 | ご入金確認後、通常は翌営業日までに出荷 |
| 送料 | 無料 |
| COA | ご注文品の出荷にあわせて、COAをメールなどでお送りします(サンプルを除く) |
| サンプル(有償)・1kgを超えるご注文 | お問い合わせフォームまたは公式LINEよりご連絡ください |
ご注文の前に、ご注文時の注意事項をご確認ください。
CBG原料と組み合わせる原料として、CBD原料、H4CBD原料、CDTテルペン原料も取り扱っています。
CBGに関する研究
2022年の総説では、CBGに関するデータの多くは、細胞や動物を使った試験によるものとされています[1]。受容体への作用については、ヒトのCB1受容体とCB2受容体に結合し、CB2受容体には部分作動薬として働くことが、培養細胞を使った試験で報告されています[2]。マウスの脳の膜標本を使った試験では、α2アドレナリン受容体と5-HT1A受容体への作用も報告されています[11]。
ヒトを対象にした臨床試験については、2024年に、健康な成人34名でプラセボ(偽薬)と比較した試験が報告されています。著者らによれば、それ以前に公表されていた臨床試験は2件でした[4]。
本ページは原料の規格と取り扱いをご案内するものです。人体への効果・効能や安全性を示すものではありません。
よくある質問
CBG原料は食品に使えますか?
食品用の原料として輸入しています(食品等輸入届出済み)。食品に配合する際の表示や各種手続き、最終製品の残留限度値の確認は、事業者様にお願いしております。
CBGを多く配合したベイプ製品が結晶化したときは、どうすればよいですか?
湯煎などで70~80℃程度に温めると、結晶をもう一度溶かせます。結晶が繰り返し出る場合は、CBGの濃度を下げるなど、配合の見直しをご検討ください。
粉末ではなく、オイル状のCBG原料はありますか?
結晶化しにくいオイル状の原料として、CBG優勢CRDオイル原料を取り扱っています。
純度やTHCの分析値は、ロットによって変わりますか?
ロットによって多少変わります。製造元の規格は純度98%以上ですが、弊社がこれまでに入荷したロットは、いずれも99%以上です。入荷のたびにロットが替わるため、現行ロットの数値をページ上部の「原料純度」に記載し、COAを公開しています。
CBGとCBGAは何が違いますか?
CBGAはCBGの酸性型で、カンナビスの中で最初に作られるカンナビノイドです。CBGAが脱炭酸するとCBGになります。本原料はCBGのアイソレートです。
参考文献
- Jastrząb A, Jarocka-Karpowicz I, Skrzydlewska E. The Origin and Biomedical Relevance of Cannabigerol. International Journal of Molecular Sciences. 2022;23(14):7929. doi:10.3390/ijms23147929
- Navarro G, Varani K, Reyes-Resina I, Sánchez de Medina V, Rivas-Santisteban R, Sánchez-Carnerero Callado C, Vincenzi F, Casano S, Ferreiro-Vera C, Canela EI, Borea PA, Nadal X, Franco R. Cannabigerol Action at Cannabinoid CB1 and CB2 Receptors and at CB1–CB2 Heteroreceptor Complexes. Frontiers in Pharmacology. 2018;9:632. doi:10.3389/fphar.2018.00632
- Taura F, Morimoto S, Shoyama Y. Purification and characterization of cannabidiolic-acid synthase from Cannabis sativa L. Biochemical analysis of a novel enzyme that catalyzes the oxidocyclization of cannabigerolic acid to cannabidiolic acid. Journal of Biological Chemistry. 1996;271(29):17411–17416. doi:10.1074/jbc.271.29.17411
- Cuttler C, Stueber A, Cooper ZD, Russo E. Acute effects of cannabigerol on anxiety, stress, and mood: a double-blind, placebo-controlled, crossover, field trial. Scientific Reports. 2024;14:16163. doi:10.1038/s41598-024-66879-0
- de Meijer EPM, Hammond KM. The inheritance of chemical phenotype in Cannabis sativa L. (II): Cannabigerol predominant plants. Euphytica. 2005;145(1):189–198. doi:10.1007/s10681-005-1164-8
- Golombek P, Müller M, Barthlott I, Sproll C, Lachenmeier DW. Conversion of Cannabidiol (CBD) into Psychotropic Cannabinoids Including Tetrahydrocannabinol (THC): A Controversy in the Scientific Literature. Toxics. 2020;8(2):41. doi:10.3390/toxics8020041
- García-Valverde MT, Sánchez-Carnerero Callado C, Díaz-Liñán MC, Sánchez de Medina V, Hidalgo-García J, Nadal X, Hanuš L, Ferreiro-Vera C. Effect of temperature in the degradation of cannabinoids: From a brief residence in the gas chromatography inlet port to a longer period in thermal treatments. Frontiers in Chemistry. 2022;10:1038729. doi:10.3389/fchem.2022.1038729
- 厚生労働省 医薬局 監視指導・麻薬対策課長通知「大麻草由来製品等に含まれるΔ9-THCの残留限度値に係る分析法の例示について」(令和6年11月12日 医薬監麻発1112第3号). 厚生労働省ウェブサイト(PDF)
- 厚生労働省「製品等検査機関一覧」(製品中のΔ9-THCの含有量に関する検査が可能な機関). 厚生労働省ウェブサイト(改正法の案内ページに掲載)
- 厚生労働省 地方厚生局 麻薬取締部「CBDオイル等のCBD関連製品の輸入について」. 麻薬取締部ウェブサイト
- Cascio MG, Gauson LA, Stevenson LA, Ross RA, Pertwee RG. Evidence that the plant cannabinoid cannabigerol is a highly potent α2-adrenoceptor agonist and moderately potent 5HT1A receptor antagonist. British Journal of Pharmacology. 2010;159(1):129–141. doi:10.1111/j.1476-5381.2009.00515.x
